東京では桜が満開、お花見の季節…スペインでは雨の多い4月。アンダルシアに移住して、めでたく1周年を迎えました。
引っ越しの時には現地の物資事情を考慮して、日本から50個以上の船便を送ったのですが…この1年を振り返ると「これは持ってくる必要がなかった!」「これを送ったのは正解だった!」「あれは持ってきた方がよかったな…」と、改めて反省点も見つかってきます。
持ってくればよかった!度付サングラス
日本ではペーパードライバーだった私も、スペインではついにカーライフデビュー。慣れないマニュアルカ―で右側運転に挑戦です。徐々に走行距離が伸び、しかも夏が近づいてくると…忘れてはいけないのが「度付サングラス」。
うかつでした…日本を出る時には思いつかなかった必需品です。「それならば現地で調達すれば」と、óptica(眼鏡店)で検眼、フレーム選び、ここまでは良かったのですが…試着をすると、とんでもない事実が発覚!なんと、どのデザインも私の小鼻の形ではスルスル滑り落ちてしまうのです。
「日本を出る前に度付サングラスまで用意するべきだった…」と、次回帰国時のショッピングリストがまた1行増えました。
結局、普通の眼鏡にクリップでつける「lentes polarizadas con pinza de sujeción para gafas(クリップオンという名称が無く、こんな長い名前で呼ばれていました。)」を購入し、土台の眼鏡とバランスの悪いながらも、なんとか間に合わせることにしました。
あの長時間待ちの検眼は何のためだったのか…。
持ってきてよかった!食品サンプル
こちらの写真は移住1周年ディナーの食卓。和心をくすぐるお刺身の盛り合わせが目にもおいしい風景ですが…
実はパン以外すべてロウ細工、東京の河童橋で購入したショーウィンドウ用の刺身サンプル(プロ仕様ショーウィンドウ用)。
不意のお客様がいらしたときや、パーティーだけれど食卓がぱっとしない時などなど…笑いを取りながらも日本らしいおもてなしの「風景」を提供できる、本当に便利なアイテムです。
この2皿に何度助けられたことか…割れ物で重たいので船便に入れるのに少々勇気がいりましたが、「持ってきて本当によかった!」と思える逸品です。
もしかしたら無くてもよかった!?和食材
味噌、醤油、のり…「海外に行く」と決まると真っ先に思い浮かんでしまうのは「和食材のストック」でしょうか。移住前の私はまさにそうでした。そして大量の「鍋スープの素」「粉わさび」「緑茶」等々を輸送したものです。
しかし、いざ現地に慣れてくると、大きなスーパーに行けば(少々高いですが、輸送代と差し引き同じくらいの出費で)メジャーな和食材は手に入るということ、しかも最近では通販でも買える、現地調達の方が賞味期限が長いという事実が判明!
海外に必要なのは和食材じゃないかも
せっかく日本から持ち込んだ和の味覚達も「貴重だからもったいない」と出し惜しみしているうちにどんどん賞味期限が近づき、最後は義務感と無気力を伴って必死で食べる羽目に。
特に「鍋スープの素」、これは意外と賞味期限が短いのです。「鍋は日本で食べるから美味しい。雪も降らないし湿気の冷え込みも無いスペインで食べても感動できない」と、一口食べた夫に言われたときは衝撃でした。
事実その通りです。「旬」というのは季節についてだけではなく、「食べる場所」についても言えることだと実感しました。スペインではスペインのものが美味しいのです。
そしてどうしても和食をつまみ食いしたい時は、現地のスーパーで少し買う…この程度でいいのだと思います。
本当に持っていきたい2つのもの
「日本から海外へ持っていくもの」と考えると、どうしても「物を買う、そして送る!」ということばかりに目が行ってしまうのですが…物質的な必需品はネット通販や人脈を通していつでも入手できる強気な時代、まして食材に関しては、いっそ手ぶらで出国しても大丈夫だと思います。
海外への移住時…間違いなく「持ってきてよかった」と思えるのは「語学力」や「資格」、実はこれなのです!
スムーズに現地生活を送るために本当に必要な「語学力」、そして現地で出会ったチャンスを生かして自己実現してゆくための「資格」、この2つこそが出国前に時間をかけて調達すべき「数年先の自分への差し入れ」なのだと実感しつつ…スペインの2年目がスタートです!