社会がグローバル化した現在、海外での移住生活を視野に入れる方も多いのではないでしょうか。日本とは異なる魅力に満ちた生活が待っていることでしょう。
しかし、光あるところには影も付きまとうものです。海外移住を始める前に、以下のデメリットについて考えてみましょう。
1.役所手続きに手間と時間がかかる
海外移住をするためには、国ごとに定められた手続きが必要ですが、手間がかかります。これらを省くために、地域によっては賄賂を求められる場合があります。断った場合のデメリットは、手続きが完了するまでに恐ろしく時間がかかることです。
手続き関係の仕事を専門とした代理人を使用した場合でも、早めに解決するために、賄賂のためのお金を準備することを勧められることもあります。逆に、地域の有力者にコネなどがあれば、鶴の一声で手続きが無料で完了することもありますが、どちらにしても不正な行為なので不安が残ります。
2.買い物ではカモと見られる
海外の多くの地域が持つ、日本人に対してのイメージは「お金持ち」です。移住の手続きが完了して、新生活を始めるにあたり、多くの物を購入する必要が出てきます。しかし、地域の物価を正しく理解していないと、割増価格で買い物をさせられることがあります。
これは、購入する物の大小に関わらず、市場の野菜から不動産まで多岐に渡ります。交渉をして適正価格までに戻すには、リサーチ力に加えて言語力が問われます。
3.受けられるサービスは低下する
丁寧な接客やトラブルへのスムーズな対応など、国内にいれば当たり前のように受けられていた各種サービス。海外に出てみると、日本では不満に感じられていた対応でさえ、良質なものだったのだと気付かされます。
光熱費やスマホ料金といった生活に必要な支払いも、口座振替やATMなどで、一括で行えない場合もあります。相手の責任で支払いトラブルが生じても、非を認めることは稀です。解決までにも時間がかかり、週単位でも対応がなされないケースも見られます。
4.地域の治安に対するリスク
治安に関して定評がある日本。国内と同じ感覚で生活できる海外地域は、稀でしょう。日本人は犯罪に対して無防備で、バッグの持ち方一つからして危なっかしいと指摘を受けるほどです。人が多い場所でも犯罪に合うという危機感が、身に染みていないためだと言われます。
自宅にいても例外ではなく、入居したアパートの管理人が合鍵を使用して犯行に及ぶケースもあります。自衛のため、街中でも自宅でも、常に周囲に気を配っておく必要があります。
5.子どもの教育問題は避けられない
海外移住した場合、子どもの教育は避けられない問題です。質の良い教育を求めることもそうですが、それ以上に言語の問題が生じてきます。当然ですが、現地の言葉と日本語でのバイリンガルを目指そうとすると、厳しい道のりが待ち受けています。
日本においても外国籍児童が、学習言語の習得が困難なため、教育に行き詰まるケースが見られます。日常会話ができることと、学校の教科内容を理解するための言語力は異なるということです。
日本語を捨てる、二言語の生徒へのケアが充実している学校を選ぶ、親が長期間の学習サポートを行なうなどの選択肢が出てきます。
6.食の問題が立ちはだかる
生まれたときから慣れ親しんだ味と離れることは、精神的に辛いものがあります。どんなに美食で知られた地域に住もうとも、日本の味付けを忘れられるものではありません。旅行など短期の滞在では美味しく感じられていた食事も、長期的に続くと大変です。
アジア圏など日本の食材が比較的に手に入りやすい地域であれば、自炊して乗り越えることは可能です。しかし、米でさえ満足できるものが手に入らない国では自炊することさえ困難です。ネット通販を使用する手もありますが、送料などコストがかかります。
7.感覚を共有できる人がいないと辛い
たとえ現地で多くの友人に恵まれても、同じ感覚で不安や不満を共有できるとは限りません。言語の違いから自分の考えを上手く伝えることができないことや、文化的な背景が異なるため、どうしても理解してもらえない事柄があるとストレスとなります。
こんなとき、パートナーが日本人だったり、海外移住して似たような悩みを抱えたことがある友人がいたりすれば違います。ポロっとこぼした一言に、「分かるよ!」と共感してくれる相手は貴重な存在です。
海外移住には、楽しみが待ち受けている反面、さまざまなデメリットがつきものです。実際に行動に移る前に、それぞれのリスクに対応できるか、よく考えたうえでの慎重な決断をしたいものですね。