スペインに入国したのが3月の終わり。翌週から滞在許可の申請を進め、外国人登録カードを無事に手にしたのは…なんと半年も経った9月でした。ともあれ、これで私も一人前のジモティ―(地元人!)。そして次なる申請は「日本の運転免許をスペインの免許に切り替える」!
いざ、CanjeへGo!
他の国の運転免許をスペインのものに切り替えたり、スペインのミリタリーサービスでとった免許を普通道路の運転用に切り替えることを「Canje(カンへ)」と言います。カンへをはじめ、運転免許に関する情報はJefatura de Tráfico(交通警察局)のページで詳細を確認できるのですが、日本語の記載がないので、ちょっとドキドキしますね。
というわけで、ぜひ私のカンへ実体験情報をご参考になさってください!(自治体によって、また時期によって、提出書類や金額等の変更もあると思います。くれぐれも管轄地区の窓口での確認をお忘れなく。ちなみに、カンへ情報のページはこちらです。)
あの苦労に比べれば…カンへは簡単です
結論から言えば、猛烈に時間がかかり、待たされ、たらいまわしにされ…という「滞在許可申請」に比べると、カンへはスムーズ過ぎて物足りないほどです。まずは書類の準備から。私が最初の日に提出したのは以下の書類です。
- 申請用紙(Jefatura de Tráficoの入り口にズラッと並んでいる物を自分でとる。)
- 日本の運転免許証(オリジナルとコピー)
- パスポート(オリジナルと顔写真ページのコピー)
- 日本の運転免許証の翻訳証明(日本大使館にお願いして、事前に発行していただきました。)
- 外国人居住許可証(取り立てホヤホヤの外国人カード、オリジナルとコピー)
- 証明写真2枚(パスポートのサイズを持っていきました。)
とにかく必要そうな書類をそろえて、交通局に行ってみたのが9月の中旬。
上記の書類を提出すると、「どこの銀行でもいいから27.70ユーロの申請料を払ってください」と、「TASA(タサ)」と呼ばれる振り込み用紙を発行してくれました。その足で通りに出て最初に見つけた銀行で(銀行名すら覚えていません。ごめんなさい。)指定金額を払い、再び窓口へ。
交通局での色々な申請は、事前にサイトから予約を取って待ち時間を少なくする、というのが主流のようですが、カンへの手続きは利用者が少ないためか、ほとんど待たずに対応してくれました。
TASAの領収書を追加提出して「手続きが進んだらメールで連絡するので、それから健康診断を受けてくれ」と、なにやらもったいぶった指示を出されましたが…何も怪しまずに、この日は交通局を後にしました。ちなみに「日本の運転免許の翻訳証明」は、大使館の領事出張サービスが近くの街で開催されたのを利用して事前に取得。こちらの発行は15ユーロでした。
でも…やっぱりここはスペインだった!
「メールで連絡するまで、健康診断は受けないでくれ。」交通局で最後に言われた不思議なアドバイスに従い、ひたすらメールを待ちながら過ごすこと1週間。突然大使館の方から電話をいただいたのです。
「そちらの地元の交通局の方から大使館あてに、”この免許証の日本人がカンへをしようとしているが、本当にできるのか”という問い合わせが来ているんです」とのことで、わざわざ連絡くださったものです。
どうやら日本人の少ない地域なので、日本からのカンへに慣れていない(できるのが信じられない?)担当者が、よくわからなくなって大使館に確認しようとしていた模様…電話をくださった大使館の方も苦笑されながら(そして怒りながら)、「実はこれが最初ではないんですよ」と、あきらめたようにつぶやいてらっしゃいました。
無事に交通局側がOKの返信を受け取ったようで、その数日後には「健康診断を赤十字で受けてください」と、場所の案内をもらうことができました。
最後の難関、健康診断
指定された健康診断(reconocimientoと言います)場所は、交通局の裏にある赤十字(cruz roja)。
せまい施設で扉の外まで人が並んでいるものの、スイスイ列が進み、1時間くらいですべて終了しました。テレビゲームのような機械を使って注意力の検査をしたり、軽い触診と質問を受けたり(なぜか「日本語と中国語はどちらが難しいのか」と聞かれたり)、金額は40ユーロ。
診察証をはじめの交通局の窓口に提出し、言われるがままに宣誓書(「交通規則を守ります」「書類は本物です」というような内容)に署名をして…めでたくカンへ手続きは完了。その場でA4サイズの紙に印刷された仮の免許証名を受け取り、その気になればこの日から運転を始められるというシステムです。1か月くらいすると郵送で(なんの変哲もない普通の郵便でした)自宅に固いプラスチック製の正式免許証が届きました。
本当の勝負はこれから!
こうして無事にスペインの免許証を手にしたとはいえ、「右側運転、左ハンドルに慣れる」「マニュアル車のクラッチに慣れる」「平気で二列駐車をする国の車社会に慣れる」など、本当の勝負はこれからです。
「Lマーク(日本の若葉マークに当たるもの)」を車体の前後左右、屋根、そしてTシャツにでも印刷して着用したい気持ちでいっぱいです。弱気をたしなめようと、とりあえず一番高い保険に入ることにしました。