初めて海外に行ったのは19歳の時。短冊に一枚一枚サインをして現地通貨「マルク」に替える「トラベラーズチェック」を握りしめて、ベルリンに3週間の滞在でした。あれから20年の月日が流れ…この惑星のマネー事情もずいぶん進化したものです!
スペイン国内でのお金の管理について、滞在タイプ別にお勧めの方法をご紹介します。
短期滞在→現地通貨
短期間の旅行程度ならば、やはり素直に現地通貨!これが私のたどり着いた結論です。
土地勘のない旅行先で両替所を探す苦労や、ドキドキ挙動不審になりながら見知らぬ国のATMにしがみつくストレスも省けます。旅行先が決まったら半月くらいかけてレートの動きを毎日チェックし、第六感で「今日のレートが一番得だ!」と納得できた日に思い切って現地通貨に替えておきます。
ここで大事なのが「いくらで両替したか」という記録を残しておくこと。
帰国後に「せめて損をしない」レートの日を見計らって日本円に戻す、これがプロです。日本円に戻せない硬貨は、おみやげを買いそびれた友達に配っても良いでしょう。為替レートチェックはこちらのサイトを使っています。
長期滞在→キャッシュパスポート
留学や仕事で数カ月から数年滞在する方におすすめなのが「キャッシュパスポート」。プリペイドカード式のトラベラーズチェックです。こちらのサイトから申し込めます。
このシステムの存在を知ったのは、以前日本で旅行会社のアルバイトをしていた時。あまりのスマートさ、安全さ、お得さに、度肝を抜かれました。
提出書類をキチンとそろえてカードを受け取り、出国前にカードに入金しておくと、現地のATMからチャージした分の現地通貨を引き出せるという優れモノ。スペアカードもあり、またカードの盗難時もキチンと補償してくれたり、しかもプリペイドでありながらクレジットカードのように支払いもできるという…至れりつくせりのサービスです。
さしあたり到着後の数週間使いそうな金額だけを現地通貨で持参し、追々必要となる資金はこのカードに入れておく、というのも良いでしょう。あらかじめ入金した額までしか使えないので、無駄遣い防止にも効果的!
永住→海外から操作可能な日本国内のネットバンキングを併用
大手都市銀行や外資系銀行で展開されている「ネットバンキング」。海外移住者にとってこれはまさに「命綱」!芥川龍之介の「蜘蛛の糸」で、お釈迦さまが血の池のカンダタに垂らしたあの糸を彷彿とさせます…。
移住する5年以上前から数あるネットバンキングサービスを比較し、サービスの安定性や分かりやすさ、移住先の国での利便性など検討して、選んだのがシティバンクのオンラインサービス。
現在はSMBC信託銀行が受け持ってくださっているオンラインバンキングサービスです。このキャッシュカードでスペインのATMから現地通貨を引き出せるので、移住時に特に大きな金額の移動はしませんでした。(そもそもあまり貯金も無いので…むしろ気楽です。)
永住のワンポイント:年金を知って自分の未来を知る!
海外永住でもう一つ気になるのが「年金」!受給開始予定の65歳まではまだまだ時間があるものの、加入期間や受給資格、手続きなど…間違いがあってはいけないので、かなり情報を集めました。
ほとんどの疑問は、こちらの日本年金機構のサイトで解決できます。 (直接電話で確認した事項も、丁寧に説明してくださいました!日本のサービス、すばらしいです!)
念のためメールで年金情報を追時受け取れるように設定しておくのがお勧め。「ねんきんネット」の活用は、日本にずっと住む方にも便利です。
そして…日々の善行がむくわれたのでしょうか、「スペインと日本が社会保障協定を結んだ」というニュースが飛び込んできました!
これは、2国間で基礎年金の加入期間を合算できるというシステム。ドイツやイギリスなど、以前から協定が施行されている国はあったのですが、まさか自分の移住先のスペインも通算できるようになるとは!
例えば、日本で10年基礎年金を払い、移住してスペインで10年払うと、受給時に20年加入していた計算になる、というものです。移住先がお決まりの方は、ぜひ日本年金機構のサイトでチェックしてみてください。
お目当ての国が社会保障協定国なら…BGMはもちろんベートーベンの第九大合唱!この感動を体感していただけることでしょう。
スペイン滞在スタイルに合わせたお金の管理方法を
不景気真っ只中のスペインで奇跡的に就職を果たし、早半年…。ちなみに給与振り込み用の口座は、この国の経済状況を憂慮してオランダの銀行を選びました。こんな離れ業が使えるのもユーロ通貨統合の恩恵です。