近年、台北市内の不動産価格が高騰しています。不動産の平均価格は年収の約15倍に達し、「世界一住みにくい街」と有力紙の聯合報は伝えます。また今年の3月頃に台湾の友人たちと食事をしたところ、ほとんどの人のマンションが、日本円で1億円を超えているので、すごく驚きました。どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。
台北の不動産価格
台北の不動産価格については、特に台北市の中心の、中正区・中山区・信義区・大安区・松山区の5つのエリアが、市の中心でもあり、交通の要所でもあり、高級店も多いので、地価が高騰しています。
従って、この5つのエリアに集中しているホテルも料金が上がっています。ざっくり言うと、次のような感じです。
高級:14,000元(52,000円)
中級:2,800元(11,200円)
経済的:1,000元(4,000円)
これはあくまで一例ではありますが、日本円で1万円以下のホテルを探すのは、けっこう難しいでしょう。予約を入れようとしても、なかなか予約できないのが実情です。
台湾の住宅価格バブルを象徴する数値
住宅価格をサラリーマンの年収で対比する「住宅価格年収比」というのがあります。日本のデータと比較してみると異常さが分かります。
住宅価格年収比(住宅価格を世帯平均年収で割ったもの)
また、ある企業の調査によると、「住宅価格の年間賃料倍数」というのがあって、台湾が最も倍数が高いので、バブルが一番ひどいのは台湾だという話です。
住宅価格の年間賃料倍数(住宅価格を年間賃料で割ったもの)
台湾住宅価格高騰の原因と対策
どうしてこんなことになったのでしょうか。
街の不動産屋さん店先のチラシを眺めていたら、店員さんが出てきて話をしてくれました。3軒の不動産屋さんの話をまとめました。
ここ10年で台北の不動産価格が高騰した理由
台北への一極集中化
2002年中国人の不動産売買解禁により、台湾人名義による中国人投資増加
2007年新幹線開通による台北への一極集中化加速
2009年累進相続税が一律10%になったため
台湾政府による政策
台湾の政府はもちろん対策は打っていて「不動産価格高騰防止策」ができました。
・2011年に「ぜいたく税」(特種貨物及勞務稅條例)導入
1年以内に転売すると:売却額の15%の税がかかる
2年以内に転売すると:売却額の10%の税がかかる
実際に、台北市内の1ルームアパートの家賃相場はどのくらいかというと、ざっと15,000〜20,000元/部屋・月くらいですので、 日本円にすると月額およそ 60,000円〜80,000円 です。
東京近郊のアパートと較べてもそれほど安くはありません。台湾の物価は安いと思っていたら大間違いです。
最後に、筆者が最近泊まった30日で10万円のロングステイアパートを紹介します。繁華街まで時間がかかることを我慢できれば、安いと思います。
ロングステイ先:台湾ロングステイ
台湾は安いと思っていたら大間違い
台北の住宅事情はいかがでしたか。なんでも安いと思っていませんでしたか。とは言うものの、なんでも高いわけでもありません。
最後に、朝日新聞社の台湾マネーに関する報道を受けて、筆者が編集しました。
執筆者:姉崎慶三郎