広い国土を持つロシアですが、大都市モスクワの地価や物価の高さは世界的にも有名です。そのためか、不動産価格に関する話題は、ロシア人の日常会話の一部です。ロシアの住宅事情や物価について書いてみたいと思います。
地価の差が大きいロシア
ロシアは国土が日本の約45倍と大変広いため、住宅事情や物価は地域によって様々ですが、モスクワの地価や物価が世界でもトップランクに入ることは有名だと思います。
2013年には、イギリスの高級不動産価格ランキングで、モスクワがヨーロッパ第3位でしたし、2015年現在も、クレムリンや赤の広場にも近いオストジェンカ通りというエリアの地価が1平方メートルあたり約480万円の価格をつけ世界で最も価格の高い不動産9位となっているようです。
私は、仕事でモスクワに数ヶ月滞在していたことがありますが、その時の物件は2LDKで、一人暮らしなのにトイレがなぜか2つあるアパートでした。部屋の広さはそれぞれ8畳程度あったので、なかなかの広さです。
家賃は会社補助だったので正直覚えていないのですが、たぶん月40~50万円程度出ていたのではないか・・と思います。一方であまり名前の知られていない田舎のエリアだと、地価は1平方メートルあたり数千円程度の地域もあるようです。
不動産に興味深々のロシア人
このように土地の価格が高騰していたり域差が大きいためか、ロシア人は不動産に興味深々で、不動産のフリーペーパーをいたるところで見かけました。フリーペーパーといっても雑誌のように分厚くきれいに製本されたものです。(私はロシア語学習用にちょうだいしていました笑)
私はあまり経験がありませんでしたが、仲良くなってきたロシア人と日本人の会話でもよく土地の価格や賃料が話題になるそうです。
私の知り合いのロシア人通訳者が言っていましたが、日本にやってくる旅行者でさえ、人気の観光スポットはどこか?おすすめの料理は何か?といった質問に加え、「そのエリアの土地はいくらなんだ?」といったことを聞いてくるそうです。
物価はどこでも高い
ロシアはこの10年で大きな経済発展を続けていて、物価は5倍程度上昇したそうです。モスクワやサンクトペテルブルグといった大きな都市はもちろんのこと、ウラジオストクやハバロフスクといった極東の地方都市でも物価は同じように高い水準にあるそうです。
私が留学していたのは、ちょうど10年前くらいでしたが、その当時も「日本と比べて安いな」とうい印象はあまりなく、服や化粧品はほぼ日本と同じ価格(質は日本の方が良いので割高ですね・・)、食品も魚や菜は日本と同価格でした。パンや肉は若干安い印象で、日本の6−7割程度といった感覚です。
日本の物価は、10年前と比べてたったの3%程度しか上昇していないそうなので、その差には驚きです。
2015年現在は、ルーブル安が深刻な状況となっていて、現地の人々にとってはインフレが大問題になっているそうです。日本人旅行者にとってはルーブル安はありがたいですが、現地の方にとっては死活問題ですね・・。
貧富の差が拡大しつつあるロシア
ロシア人にとって地価や物価は日常的な悩みの種で、興味を持たざるをえない話題です。貧富の差もどんどん拡大しているようなので、ロシアに友人を持つ身としてはちょっと心配になってしまいます。
日本は、貧富の差もそこまで感じず、地価や物価上昇もとてもスローなので日頃意識することはありません。日本は平穏だな〜と改めて日本のありがたさを感じます。