海外へは、駐在で行く日本人も多いです。駐在として会社から派遣する場合、ある程度の生活水準は保証されるものですが、現地入りしてみると思ってもない環境だったことに驚くこともあります。
そんな中、業務や生活を行っていく上で、なにかとストレスが多いのも事実です。ここでは、私が以前滞在していた台湾を例に挙げて、駐在員の5つの悩みを書きます。おそらくは、どの地域であっても同じような悩みを抱えているのではないでしょうか。
1.現地を知らない日本のトップ
駐在員の最大の悩みは、日本と現地社員の間の板挟みでしょう。台湾の駐在員は、日本からは「あいつは台湾でボケだ」といわれるし、現地社員からは「総経理は日本しか見ていない」と批判される存在です。
日本の本社の困った問題は、現地の実情を知らないで指示を出すトップが多いことです。「現地を知らない」という意味は、現地の細かいことを知らないという意味でなく、基本的な戦略や方針が現地に適合していないという意味です。
いかがですか。貴社のトップは?
これはしかし自分自身の説得が足りないことでもあります。反省としては、日頃から戦略をまとめ、しつこく発表し、周囲を巻き込んでゆく努力が足りないのでしょう。本社でアシストしてくれる存在も重要です。本社ばかりを見ているのもよくありませんが、糸の切れた凧になってもいけません。
2.トップダウンを求める現地社員
日本型の仕事の進め方はどうしてもボトムアップ的が多いように思います。ところが、台湾は全く反対のトップダウン型です。反論ばかりするようにも見えますが、命令に対しては反抗的ではなく、むしろ隷属的です。
しっかりと命令を出すことが重要です。
そのためには、ひとつは片腕の存在です。台湾のビジネス方法を指南してもらう片腕はひとつの方法です。しかし他の現地社員は嫉妬するし、本社からは一人で動けないのかとの批判もあるので、ほどほどが重要です。
あるいは自社の台湾駐在員の先輩に学ぶとか、同業の台湾駐在者と交流して学ぶのも方法でしょう。
3.来訪者の異常な多さ
台湾は本当に日本からの来訪者が多いものです。理由は、
- 台湾の売上が他国に比べて多いので、仕事がある
- 台湾が好きな日本人が多い
- 食事がうまいので好きな人が多い
- 安らぎを感じる人が多い
- かつて「台湾に来ると安心する」と中国の駐在員が言っていたが、今もそうだろうか。
そのおかげで駐在員の接待に関わる時間と費用はかなりの額になります。中華料理を食べて、そのあとはスナックでカラオケ。場合によってはそのあとの夜食。
体重増加と肝機能の悪化は職業病です。ちょっとした風邪でもすぐ行けるかかりつけの医者が必要です。
4.家族の問題
出産とか、子どもの学校などについては、駐在員本人よりも奥様の方が悩んでいるのが実態です。できるだけ相談に乗るとか、駐在員仲間からの情報を多く収集することが必要です。出産については別に書きます。
5.駐在員は休日がない
駐在員に休日はあるのでしょうか。
- 休日の来訪者
- 休日のゴルフ
- 休日の展示会
- 休日の出張
日本から来るにしても行くにしても休日を使うことが大いので休めません。
最後に
駐在員の皆さま、本当にお疲れさまでございます。何よりも健康に留意され、でもしっかりと職務を全うされ、海外の良さを学び、人生の1ページを実り豊かに輝かしく過ごされることを祈念しております。
それでは最後に駐在員の皆さまに音楽を捧げて終わりにしたいと思います。曲は私のカラオケの持ち歌、テレサ・テンのつぐない、中国語編です。是非練習して覚えてください。それではまた元気でお会いしましょう。イェーイ!