ロシアというとどんなイメージをお持ちでしょうか。寒くて暗い印象を持つ人が多いかもしれません。たしかに、ロシアの冬は長くて寒くて暗いです。しかし、だからこそ夏を謳歌する人々や黄金の秋が美しいと感じられます。今回は、ロシア、特に1年間を過ごしたサンクトペテルブルグの四季について書いてみたいと思います。
美しくない春
春といえば日本では「明るい太陽が降り注ぎ、雪が溶け、ふきのとうが顔を出し梅や桜が咲き始める・・」といった美しいイメージがありますが、雪国ロシアではちょっと事情が異なります。
冬の間、雪で覆い隠されていた「汚いもの」が顔を出すのです(笑)。ロシアの道路は舗装が遅れており、また道路の作り方も土や砂といった原始的なものらしく、年中ほこりっぽく泥があります。
おかげで大半の車が車体の下半分真っ黒です。すぐ汚れるといった理由で洗車する人が少ないくらいです。その泥が雪解け水と混ざり、さらに汚い様相になります・・。
日本の春が大好きな私ですが、ロシア人の先生たちが「春は嫌いだわ〜」と言っていた理由がようやく理解できました。
思いっきり楽しむ短い夏
よく、「ロシアって夏あるの?」と質問されますが、ロシアにもちゃんと夏が来ます(笑)。
ただ、日本のようにジメジメしたものではなく、初夏が2ヶ月ほど続く感じです。6月頃以前の記事でご紹介した「白夜」に始まり、7月に気温のピークを迎え、8月には秋を迎えます。
気温は高くて25度程度と言われていますが、最近は異常気象で30度を記録した年もあったようです。暑い時期が一瞬しかないロシアなので、人々は思いっきりこの短い夏を楽しみます。
衝撃だったのは公園での日光浴です。老若男女が公園でビキニ姿で寝そべっているのです。「ここはビーチか?!」と二度見してしまったくらいです。
あと、ロシアの夏の楽しみといえば、こちらも以前の記事でご紹介した別荘(ダーチャ)です。私もダーチャの近くの湖で遊んだり、バーベキューをしたりして楽しみました。
黄金の秋
ロシアでもっとも美しい季節と言われるのが秋です。日本の木々は赤や黄色に紅葉しますが、ロシアでは黄金色になります。特に9月末〜10月末は”黄金の秋”と言われている紅葉シーズンで、ロシアの有名な詩人プーシキンによってその呼び名が名付けられました。
この時期は結婚式も増えるそうです。
秋といえば収穫の秋。収穫の秋で驚いたことといえば、ロシアには、きのこ好きな人が多いということです。もはや好きといったレベルではなく、マニアです・・。きのこの専門誌があるくらいです。
多くの人が、食用きのこか毒きのこかを見分けることができるようです。ロシアのお土産物にもきのこを型どったものが多いです。
憂鬱な冬
ロシア人が一番嫌いな時期が、黄金の秋を過ぎた頃、日がどんどんと浅くなり毎日朝から暗い冬の時期です。本当に朝から夜までずっと暗いです。この時期は自殺者も増えるらしく、先生や友達から「ビタミンを必ず飲むように!」と忠告されていました。
彼ら曰く、光が当たらずビタミン不足になり、それが精神にも影響を与えるそうです。恐ろしい・・。
ですが、雪が降ると一変します。確かに暗い日もありますが、晴れた日は最高です!あたり一面真っ白な雪が積もり、そこに教会の黄金の屋根が映える・・そんな風景を楽しめる冬が、私はロシアの四季の中で一番気に入っています。私はマイナス20度も経験しましたが、さほど寒いとは感じませんでした。確かに帽子がなければ頭が割れそうでしたけれども。
冬で驚いたことは、屋台でアイスを売っており、そして結構売れているということです。しかも室内ではなく外で歩きながら食べます。日本人が暑い夏に熱いラーメンを食べるように、寒い時に食べるアイスは夏に食べるより美味しいそうです。私もチャレンジしましたが、やっぱり寒かったです。
日本の四季とは全く異なるロシアの季節
さて、四季を中心に書いてきましたが、実はロシアには自然災害が少ないので、地震や台風ついて書けないのです(笑)。乾燥しているためか森林火災があったり、極寒のシベリアで水道管が凍結してしまうことはあるようですが、私自身は現地に住んでいて自然災害のニュースを見たことはありませんでした。
日本とは異なる四季を持つロシアですが、自然災害が少ないという面では暮らしやすいかもしれませんね。