ハロウィーンのトリック・オア・トリィート(お菓子くれないならいたずらするよ!)ミネソタ州で初めてのハロウィーンの夜は子供向けの行事ながら、残酷なお仕置きを受けました。
ハロウィーンに衣装を着て歩く子供たち
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ハロウィーンのトリック・オア・トリィートのイベントは10月31日の夜、通常、子供たちがお化けや魔女、モンスターをはじめ、人気のマンガや映画のキャラクターなど好みのコスチューム(衣装)を着て、近所周りをして各家に”Trick or treat?”(トリック・オア・トリィート、お菓子くれないならいたずらするよ!)と言って、ドアに出向いた家の住民からチョコレートやキャンディーをもらって来る行事です。
ミネソタ州に引越し後、初めてのハロウィーン
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通年なら、私の家でもお菓子を用意してトリック・オア・トリィートに来る子供たちのために準備をしておくのでした。
ですが、ミシガン州からミネソタ州に引っ越したばかりの当時のハロウィーンの夜は私の子供たちもまだ小さく、家の中は段ボールの箱がまだあちらこちらに置いてある状態。
近所でも新顔でしたので、イベントには参加をしないと家族内では決めていた年のハロウィーンの出来事でした。
一般的にイベントに参加する・しないは個人の自由で、ハロウィーンの当夜、その家の外灯が点いていたり、家屋内の電気も明るく点けてあり、玄関口にパンプキンの飾り物やハロウィーン用のお化けや墓石などのデコレーションが飾ってある家々はトリック・オア・トリィートを行っているのが通常です。
そうでない家は留守だったり、少なくとも子供たちをはじめ、人々が近所を出回る時間帯(午後6時から午後8時ぐらいまで)は電気を消すという習慣があります。
ミネソタ州に引っ越してきて、初めてのハロウィーン
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ですので、ミネソタ州に来たばかりの年のハロウィーンの夜は、家の外から中までほどんど暗くして過ごしていました。
そこへ、私の家のドアに現れたのは、骸骨の衣装をきた男の子の率いる5~6人のグループでした。電気を点けてもいなかったので訪問者が来ること次第、驚きましたが、出来るだけ子供たちの気持ちをがっかりさせないようにと思いつつ、「今年は参加していないので、ごめんなさい」とお菓子のないことを説明したのでした。
お面を付けていない子供は、私の返答に唖然としているようでしたが、私の家ではその当時、常時お菓子を用意していることなかったので、もう一度、「お菓子はありませんよ」と説明してドアを閉じました。
その次の朝のこと
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今度唖然としたのは、私を含めた私の家族のほうでした。
朝、仕事に出かける準備をして玄関を出たところ、ドアとその囲いにべったりくっついていたのは、ドアに向けて投げられた生卵でした。4~5個の生卵だったでしょうか。前夜、何らかの音に気づかなかった私自身にもがっかりしましたが、引っ越したばかりで、突然の思いもよらずの報復にあまり気持ちの良い受け入れはできませんでした。
もちろん、一晩中ドアにくっついていた卵を洗い落とすのも、決して喜ばしいことではありませんでした。
幸いにも、トリック・オア・トリィートでいたずらをされたのは、この出来事が最初で最後でしたので、今では毎年のハロウィーンを楽しんでいます。
当然のこと、生卵トラブル後はどこに引っ越しても、ハロウィーンのイベントを逃したことはないことにも理由があるのでしょうか? 経験は物を言うとはこういった出来事から生まれてくるのかと実感させられたものでした。
今のところ、私の子供たちもまだ小さく、衣装を着る、着ないに毎年、一生をかけているように話しをしている間は、イベントへの参加をして、近所の子供たちにもお菓子をあげています。
近年のアメリカでのハロウィーン
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アメリカでのハロウィーンはコミュニティー(住んでいる近所内や地域内)のイベントとして行われているのが一般的です。
上記にも述べたように、ハロウィーンの夜(日が沈んでから午後8時ぐらいまで)に行われるトリック・オア・トリィートが最も人気のあるイベントです。
子供たちの楽しむイベントとしてハロウィーン当日は私の住む町でも数々の店や銀行、スーパーマーケットなどでも、日中からこのトリック・オア・トリィートを衣装を着て訪れた子供たちのために行っています。
子供だけでなく大人もコスプレ
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また、小・中学校、高等学校でも、ハロウィーンの日は衣装を着ての登校も許されています(私の子供の小学校では衣装の持ち込みは可能で、決められた時間帯のみ、衣装を着て学校内でのパーティー・パレードへの参加をします)。
もちろん、衣装を着て登校するのは生徒達だけに関わらず、教師の方々も参加して一日を楽しむことが多いようです。個人の自由ではありますが、教育施設にはとどまらず、職場でも、衣装を着るにも、パーティーをするにもイベントへの参加を楽しんでいる人々も多いです。
また、収穫の季節をお祝いするために、わら製のデコレーション、かかしや俵など秋の色どりで玄関口を飾りもしますが、ハロウィーン特別の習慣として、鮮やかなオレンジ色の中身を抜いたパンプキンに目鼻、口などを彫って顔を拵え、ハロウィーンの夜に火をともして飾るジャック・オー・ランタン(Jack-o’-Lantern)、言ってみれば、カボチャちょうちんも欠かせないデコレーションの一つです。
ハロウィーンのパレード
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大都市やその近郊に住んでいる人々は都市が主催しているハロウィーンのパレードがありますし、ディズニーランドや(ミネソタ州で知られているのは)ヴァリーフェアなどの各種のアミューズメント・パーク(遊園地)では日が暮れた後、ハロウィーン時期特別のお化け屋敷を一部又は全パーク内で行って、来客者に背筋の寒くなる体験を提供しているところもたくさんあります。
それ以外にも、元々のハロウィーンの習慣が発生した理由であろうと考えられている宗教的な意味合いを重視してカトリック教徒や他のキリスト教の信者たちは個々の信仰に添ってハロウィーンを{All Hallows’ Eve, All Saints’ Eve(オール・ハロー・イヴ、オール・セインツ・イヴ)それか Harvest Festivals(収穫祭)}として祝っている人々も少なくありません。
ハロウィーンの由来
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ハロウィーンの由来といっても、これらに詳しい歴史学者の間でも決定的な由来説への意見の相違は絶えないようです。
その一つには、ケルト人(Celtics)(現在のアイルランド、スコットランド地方)の新年を迎えるにあたって行われていたSamhain(サーウィン)があります。夏の季節と収穫時の終わりを告げ、暗く、寒い冬の訪れを人間の生死に関係すると考えていた人々が、亡くなった者の魂がこの地に訪れる特別な日(10月31日または11月1日前後)として祝祭していた日に当たります。魔女や鬼、獣などの衣装を着用する習慣はこのサーウィンから導入されたものと考える学者も少なくありません。
その他には、キリスト教のAll Hallows’ Day や All Saints’ Day{全聖人を尊ぶ祝日(11月1日)}またAll Souls’ Day{全死者の霊魂に祈りを捧げる日(11月2日)}に元々の由来があるとも言われています。
ちなみにですが、西暦609年に全聖人を尊ぶ祝日は導入されましたが、当時は5月13日に祝祭されていました。
西暦835年になって第101ローマ法王のグレゴリウス4世により、11月1日に変更されました。
この理由として、歴史学者間にはケルト人、またはゲルマン民族の影響があったと主張する派(民族人がキリスト教への改宗を抵抗なく行うための結果)や当時のローマで夏時期に巡礼者の間で流行していた病気、ローマ熱のまん延を防ぐためだったという派もあります。
国民的イベント、ハロウィン
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どちらにしても、現在の北米、アメリカでのハロウィーンはヨーロッパの各地から新しい生活を望んで移住した人々(移住民)が出身の国や地域の文化・習慣をアメリカでの生活に取り入れてきた歴史の観点から見れば、アイルランドや英国、その他のヨーロッパ各国からの影響にとどまらず、キリスト教やその他、数々の影響を受けて今現在のハロウィーンが多数の国民に楽しまれていると言えます。
単にお菓子とコスチューム(衣装)のお祭りとしてだけではなく、歴史的な意味合いを思いながらお祝いすることで、世紀を越えて楽しまれてきた行事の大切さ、文化・習慣への敬意をより深く感じ、改めて歴史への興味を深めることができるかと思います。
執筆者:田舎町のママ(ペンネーム)
ミネソタ州の田舎町で主人・子育て(笑)、ガーデニング、料理などに力を入れて生活をしています。