海外に住んでいると日本の公的な義務や制度がどこまで適用されるものなのか曖昧なままになっているものもあります。その代表的なものが国民年金です。
国民年金は国民ならば支払う義務がありますが、海外在住者の場合はどうなっているのか知らない人もけっこういるような気がします。反対に受け取りの年齢になった時に海外在住だともらえないんでしょうか?
海外在住者、国民年金の支払い義務ってある?
日本にいる時に既に成人で会社勤めをしていた人は厚生年金を支払っていて、仕事を辞めた時点で国民年金に切り替えになっていると思います。
この国民年金は「国内居住要件」という条件があるんです。簡単に言えば「日本に住んでいる人だけが国民年金の支払い義務がありますよー」というもの。海外在住者は「加入対象外」ってことで支払い義務はなくなるんです。
「義務はなくなるけど、続けて払っていきたい!」と思っている人もいるでしょう。国民年金は支払いというより自分の将来のための積み立てと同じようなもの。厚生年金や国民年金を支払ってきた人は海外在住であっても続けて支払っていくと支払いをストップした人に比べて後々の受け取り額が大幅に変わってくるんですよね。
こんな方のために国民年金は任意で続けて払っていくことができるんです。
支払い方法は日本の銀行口座を持っていればそこから。持っていなければ日本のご家族が支払うことができればOK!
海外在住でも途中からもう一度加入できる?
私の場合、長年厚生年金を支払ってきて結婚前に国民年金に切り替えました。その後すぐに海外在住となったので支払いをストップしています。
帰国して住民票を作成すると必ず国民年金の手続きをするように促されます。そのままストップしたままでまた加入する必要がなければ手続き不要です。
もし、もう一度加入したい場合は、国民年金課で手続きします。今までの加入時期と支払い金額が管理されていて、そこから今後払う額を算出してくれます。
海外へ戻るため、住民票を転出させる時にも必ず国民年金課で手続きするように促されますが、そのまま続けて支払う意思があるかどうかをこの時点でまた確認を取られるようになるわけです。
国民健康保険と違い、国民年金は帰国するたびに加入して転出すると同時にやめる、ということはできなくはありませんが、支払いの意味をなさなくなります。再び国民年金の支払いを始めようという人はずっと支払っていくことを前提として手続きするようにした方がいいかな、と思います。
海外に住んでいて受け取りはできる?
リタイアビザでバリ島にもたくさんの方が住んでいらっしゃいます。中には年金受領と歯医者に行くから!という理由で年に一度日本へ帰る知人も居ます。(帰国してでも歯医者に行く!っていう気持ちが痛いほど分かるんですよねぇ、これが)(笑)
この方のようにわざわざ帰国しなくても海外に居ながらにしての年金の受け取りもまた可能です。受け取るための必要書類は日本に居る場合とは若干異なるようですが、日本の口座や海外の口座のどちらにでも振り込んでもらえるようですね。
インドネシアに国民年金はある?
ありませんねー。
ただし、公務員は強制加入でちゃんとあるんですよね。我が家のお隣のご主人は警察官、奥様は国立病院の看護師さん。お二人とも毎月振り込まれているお給料から年金の支払い分を引かれているようで、「二人となると痛いんだよねー。」と言ってます。
でも、年金制度がないこの国では歳を取ると頼れるお金がないというのはちょっと辛いものがあるので、お隣さんご夫婦は老後安泰でしょうね~。
余談ですが、バリに住む友人はこちらに長く住んでいても住民票はずっとご両親の住居に残したままなんだそう。これだと毎年国民保険料や住民税といったものを払っていかなければいけないんですけど、帰国した時の諸所諸々の手続きをしなくてすむし、年金のことがあるから、と言っていました。
確かに手続きはしなくてもいいけど、年金は上記のように海外に住んでいても任意で加入できるし、その後の受け取りもできるので、帰国時の手続きを面倒がらずに行えばやっぱり転入転出届けをマメにした方が総合的にはお得なのです。
執筆者:harudai(ペンネーム)
プロフィール:国際結婚で2000年からインドネシアバリ島に住んでいる主婦兼二児の母。「郷に入っては郷に従え」精神でご近所の方々に助けてもらいながらの日々の生活。今だ近所のおばちゃんたちから学ぶこと多し。