ひょんなことがきっかけで、海外生活を決心する人もいます。現在、中国広州で暮らす、はっしーさんも例外ではありません。彼が中国で海外生活を送ることになったのは、中国人観光客との出会いでした。中国広州という大都市で、なれない海外生活に悪戦苦闘する若い日本人の中国渡航ストーリーです。
中国広州で日本語講師として海外生活
私は、現在24歳で、中国、広州で日本語教師として働いています。
それほど人生長く生きているわけではありませんが、中国で働くようになりまでにはいろいろなことがありました。今回は、そんな私がどうして中国で働くようになるまでのエピソードを書いてみました。
中国とは無縁の大学時代
大学では英語を専攻していたのですが、途中でフランスへ1年間留学したりと、節操のない学生生活を送っていました。
そして、就活の時も、留学したんだから、どっかの企業が取ってくれるだろうとのんびり構えていました。しかし、どこの企業からも内定をもらうことができず、就職できないまま大学を卒業しました。
そこから、地元の静岡でフリーターをしながら就職活動を行い、半年後、東京の起業して間もないベンチャー企業から内定をもらうことができました。
初めての就職と生活苦
東京で働いてみたいと思っていたこともあり、私は二つ返事で入社を承諾したのですが、この会社、給料の支払いが毎回翌々月、つまり給料が毎月ではなく2ヶ月に一度しか支払われず、しかも額面が18万の為、一ヶ月あたりの給料は9万円しか貰えませんでした。
それに気づいたのは、入社承諾書にサインをしてしばらく経ってからだったので、その時は本当に後悔しました。
その会社での仕事内容は、携帯電話の営業だったのですが、せっかく訪問が決まっても、交通費は後払いのため、お金がみるみるうちになくなっていきました。そして、ついには生活ができないレベルになってしまったので、仕方なく給料を前借りして仕事をしていました。
しかし、前借りしたお金も交通費ですぐに消えてしまい、とうとう生活ができなくなってしまったため、この仕事は3ヶ月で辞めることに・・・。
新しい職場での中国人との出会い
それから、次に選んだ仕事が、秋葉原でフィギュアを売る仕事でした。
もともと、アニメやマンガが好きで、秋葉原で働いてみたいと思っていたので、よい機会だと思っていたのです。ところが、いざ働いてみたら、お客さんのほとんどが中国人の観光客で、日本のお客さんは、ほとんどいませんでした。
私は中国語はできませんでしたが、英語はに多少覚えがあったので、その英語を駆使して、中国人やほかの外国のお客さんの接客をしました。
私以外のスタッフは英語がほとんど話せなかったこともあり、しばらくすると、私は通訳スタッフとして、大部分の外国人観光客の接客を任せられるようになりました。
中国人観光客の対応の中で
しかし、中国人のお客様の中には、英語ができない方も多く、そうしたお客さんに限って中国語ですごい剣幕でまくしたてて来るため、スタッフはみんな中国人のお客様を敬遠していました。
僕も、そうした中国人のお客様の図々しさが好きではなかったのですが、接客をしていくうちに、だんだんとそれがいい面に思えてきたんです。「外国に来て言葉が通じないのに、一歩も引かないなんて、中国人ってスゴい!!」と思うようにさえなりました。
中国人のタフさに敬服
そして、日本も中国人のそうした積極的な面を学んでいかないと、これからの世の中生きていけなくなるんじゃないかと危機感を抱くようになりました。
そして、すぐにでも中国に行き、中国人の強さを学びたい!と思うようになります。
その後、中国で求人を募集している企業に片っ端から履歴書を送り、一番早くレスポンスをくれた日本語学校の面接をスカイプで受け、内定をもらい、すぐにビザを取って中国へ行きました。
中国広州での海外生活
いざ、中国広州に来てみると、とにかく圧倒されっぱなしでした。
人の多さから建物の大きさ、接客する人の態度など、同じアジアで距離も近いのに、ここまで違うものかと驚きました。
中国広州にも定食屋はたくさんあります。レストランで料理を注文する時など、当然言葉は通じず、指をさして必死に伝えたりの毎日です。始めのうちは、普段の生活でも苦労することが多く、疲れることばかりでした。
しかし、意外と嫌な気持ちは全くなく、むしろ、日本のような充実したサービスの国にいたせいで苦労に感じていただけで、慣れてくると苦痛を感じることさえ無くなりました。
中国広州の海外生活も住めば都
中国での暮らしに慣れてくると、それほど不都合はなく、やはり日本は恵まれすぎている実感します。
中国にいると日本のことをよく考えます。日本は何かと恵まれているせいで、些細なことでも腹を立てたり、他人の悪い部分に目が行きがちになっているのではないでしょうか。
もちろん、日本のいいところもたくさんありますし、ここで暮らすうちに日本の良さを再確認しました。しかし、日本人が不必要に細かいことを気にするのをやめたら、もっと大切なものに集中できるのではなかと思ったりもします。
執筆者:はっしー(ペンネーム)
プロフィール:中国で仕事をしている、駆け出しライターです。