私がイギリスに興味を持ったきっかけのひとつは、音楽でした。私は様々な音楽を聴いていましたが、気に入るのはどれもイギリスのミュージシャンばかりでした。イギリスの音楽には、ちょっともの悲しげなメロディラインと、特有のシニカルな詞使いがあり、それをとても心地好く感じていました。そして、どんどんイギリスの音楽に夢中なっていきました。
マニアック
イギリスの音楽に夢中なればなるほど、もっとイギリスの音楽を知りたいと思うようになりました。様々な音楽雑誌を読み漁り、日本で発売されていないCDは海外輸入専門店で手に入れていました。ただ・・・。
“音楽の嗜好は自己満足で十分”だと思っていたのが、やっぱり誰かと話を共有したい、と思うようになりました。しかし、あまりにもイギリスの音楽を追及した結果、好きなミュージシャンの名前を言っても、それを知っている人にはなかなか出会えず。
そうだ、イギリスへ行こう♪
本場の国
日本に居れば、日本のミュージシャンの事はみんな知っている。ちょっとマイナーなミュージシャンでも、時々近くのライブハウスで見かけたりもする。
だからイギリスへ行けば、日常的に様々なミュージシャンの名前が飛び交っているはず!時には「あ、そいつオレの知り合い。」的なサプライズもあるかも!
そう“思い込む”まで、時間はかかりませんでした。
現実
やがて、私はその“熱い思い”を抱いて渡英する事になります。そして、自己紹介には必ず自分の好きなミュージシャンの名前を語り、誰かがそれに反応してくれる事を心待ちにしていました。しかし・・・。
なかなか私のイギリス音楽に対する“思い”に共感してくれる人は現れませんでした。私の住んでいた町が閑静な住宅街であった事もあり、ここにロックは無いんだと“思い込む”も、どこに行ってもなかなか願いは叶わず。
そうですよねぇ・・・。
たとえば、日本のアニメに夢中な外国人の方に「このアニメを知っているか?」と聞かれても、きっと答えられないですもの、私。
決して、イギリスに音楽に詳しい人がいない訳ではないんです。私が自分の自己満足な嗜好を一般的に、一方的に求めていたのが“思い込み”だっただけなんです。
結局、イギリス滞在中に私の音楽に対する“思い入れ”は満たされることはありませんでした・・・。
ちなみに、イギリス滞在中に近所に日本のアニメが大好きな大学生の男の子がいました。とりあえずその子には、日本の女子高生はみんなツインテールじゃないし、武道を取得しても「かめはめ波」は撃てないよ、と言っておきました(^o^)
執筆者:ぴろきちこ(ペンネーム)
かつて旅した国を語りたいお年頃。