国際結婚や海外赴任で、女性が海外移住するときに不安なのは、妊娠と出産です。海外で産むべきか、それとも日本に一時帰国して産むべきか、みなさん迷うようですね。海外での妊娠と出産事情、インドネシア、バリ島編です。
ここで産むか、日本で産むか?
国際結婚して子供がお腹に宿った時、真っ先に頭をよぎったのが「日本で産むかここで産むか!」ということでした。
飛行機には、出産予定日の28日前までなら航空会社との間の誓約書が必要ですし、27日前以内なら誓約書と医師の同伴があれば乗れますが、そんな大きなお腹ではちょっと不安ですよね。同伴してくれる医師の友人なんていないですしね(笑)。
出産と育児は、日本にいても初めてだとなにかと不安なのに、異国の地で産むとなるとさらに不安が増すかもしれません。そんな方のために、バリ島で二人の子供を出産、そのまま育児に入った私が心構えができるだけのアドバイスを書いてみます。
インドネシアで産んだ場合
言葉がまだ十分でない場合には医師とのコミュニケーションに不安を覚えるかもしれません。でも、出産というのは万国共通なので、そこは「でーん!」と構えて臨みましょう!
出産前に病院を選ぶのも大事なことです。バリ島ではまだ助産婦という看板を掲げたところがありますが、ここ数年はローカルの人たちも病院で産む人が増えてきているようです。
検診は産婦人科へ行きますが、実際に出産するのはその産婦人科医が提携している大きな総合病院になります。バリ人はなにかと口コミ情報網が発達しているので、隣近所の人や同じ状況にある日本人や外国から来ている出産経験者に訊ねるのが間違いないと思います。
インドネシアで2回の出産
私の場合は上の子の時はなかなか生まれなくて緊急に帝王切開になりました。
下の子の時は逆子だったのであらかじめ出産日を決めての帝王切開でした(余談ですが帝王切開の切り口は横切りなんですよ。これは傷跡を目立ちにくくするためだとか)。
多くの場合、ノーマル出産だと1日の入院、帝王切開でも長くて3日しか居させてくれません(私は歩くのでさえままならない状態で、帰るのは不安でしたので、医師にお願いして無理やり5日間入院させてもらいました)(笑)。
帝王切開でも、なにも問題なく母子共に健康で、今に至ってます。
退院後はバリヒンドゥ教の儀式があれこれありました。その後の定期健診も予防注射もちゃんとありますのでご安心を。ちなみにインドネシアには日本のような国民健康保険制度はありませんので、出産にかかる費用は実費です。
忘れてはいけないのが日本大使館への出産の届出です。生まれてから3ヶ月以内に届けると、生まれた子供の日本国籍も取得できます。
日本で産んだ場合
私がこちらで知り合った人の何人かは、日本で出産している人がいます。日本での出産は心強いですよね。出産後に忘れてはいけないのが在日インドネシア大使館もしくは領事館への出産の届出です。これにより赤ちゃんは、インドネシア国籍もちゃんと取得できるというわけです。
日本で産んだ人たちが一様に言うのが
「いつバリ島へ戻るかが問題!」
確かにあまりにも小さい赤ちゃんだと無理だろうし予防注射もあるだろうし。日本のご家族が手放したくなくなる心情も酌まなきゃいけないだろうし。日本で産んだらバリ島へ帰るタイミングがどうやら難しいようですね(笑)。
バリ島への移住、言葉の壁
ここ2・3年の間に、日本から小さなお子様連れで移住してくる方が増えてきました。
2011年の東日本大震災の原発問題で、東京近辺に住んでいた方が移住してくるケースが多いようです。その方たちもバリ島で育児をしていくわけです。
国際結婚して生まれた子供は、両親や家族の話しかけによってインドネシア語やバリ語も自然と覚えていくわけですが、そういった環境にない移住してきた方はまず言葉の壁にぶつかるようですね。
だけど、大丈夫!バリ島自体は自然がいっぱいで人もおおらかで温かいので住みやすい土地です。
ご近所の方も一緒になって子育てしてくれるところです。言葉も小さければ小さいほど早くその土地の言葉を覚えていくものです。だけど、やっぱり長い時間一緒に過ごすお母さんの働きかけも大事。
お母さん自らインドネシア語の習得に努めるのがベストだと思います。
バリ島での育児
さて、育児ですが紙おむつや粉ミルクなど赤ちゃんの身の回りのものはスーパーで手に入ります。日本のように温めるだけでいい離乳食はさすがにありませんが(笑)。
小児科もちゃんとありますのでご安心を。
情操教育はこの大自然と昔ながらの温かい人たちに囲まれて過ごすと自然と育ってくるのではないでしょうか。
もう少し大きくなると、プレールームもあちこちにあります。長期滞在や移住してきている外国の子供達が多いようですので、自然と英語まで身につくかも。
育児に関してもそれほど心配することはないと思いますよ。分からないことがあれば隣近所のおばちゃんたちに聞いたり、先輩日本人の奥様達に聞くと必ずと言っていいほど答えが返ってきますから。
心配しているほどたいへんじゃない
自分が育ったところじゃないところで出産・育児をするのはお母さんとしては本当に勇気がいることだと思います。でも、一人じゃありません。家族はもちろんのこと近所の方総出で子育てに参加してくれます。それがバリ島なんですよね。
執筆者:harudai(ペンネーム)
プロフィール:国際結婚で2000年からインドネシアバリ島に住んでいる主婦兼二児の母。「郷に入っては郷に従え」精神でご近所の方々に助けてもらいながらの日々の生活。今だ近所のおばちゃんたちから学ぶこと多し。