海外では日本人的精神論は通用しない理由

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グローバル社会になって日本で外国人が働くことや、日本人が海外で働く機会がますます増加しています。いずれの場合にもそれぞれの国の働き方や文化があり、それに順応していくことはなかなか難しいものです。

特に、日本の企業の在り方は海外とは大きく異なり、日本独特の特徴がみられるようです。その中には日本人の独特の“精神論”というものがあり、日本では美徳とされてきたものですが海外では通用しないものもあります。今回は、日本人の精神論が海外では通用しない理由をまとめました。

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日本人が好む“精神論”とは?

精神論とは?

精神論とは、数字や統計、事実などの論理的で客観的な見方ではなく、強い精神力をもってすれば物理的に困難なことでも克服できるという主観的な考え方です。例えば、「がむしゃらに努力をしていれば必ず報われる」とか「やる気があれば何でもできる」といった具合です。

これによく似た考え方には「根性論」というものがあり、乗り越えるのが苦難な状況にあっても、それに屈しない精神力(根性)があれば、必ず達成できるというものです。このような考え方はスポーツの世界、企業やビジネスの場面でしばしば見られます。

日本人は古くから「忍耐」や「我慢」などを美徳としており、途中で投げ出さずに最後までやり遂げることや自分の意見を押し通さずに我慢すること、などとても素晴らしい側面もあります。

ところが、「精神論」がビジネスの世界で過剰に用いられると、「成果が表れないのはやる気が足りないからだ」とか、「とにかく頑張れ」、「今の辛さを乗り越えれば結果が付いてくる」など、強靭な精神的をもって仕事に取り組むことが重視され、長時間残業や休日出勤など過剰な労働を強いられることがあります。

日本的精神論が通用しない理由

論理的ではない

成果を上げさせるために、「頑張ればできる」、「やる気を出せば業績が上がる」などの励ましは“精神論者”の特徴ですが、これらの言葉は実に非論理的で具体的な方法も手段もありません。ただ感情を前面に出しているだけだともいえるでしょう。

このようなやり方で先に進んだとしても必ず成果が上がるという何の根拠もありません。これでは、「何を頑張ればいいのか」、「業績を上げるために何が足りないのか」などの思考がなく、ただがむしゃらに時間を浪費させることになります。本当に必要なのは、成果を上げるために“どのような努力”が必要なのかを明確にして、その目標に向かって行動することです。

個性や能力を正しく評価できない

一つのプロジェクトを成功させるために、自分は犠牲になってもチームワークや絆を優先させる日本人。辛くなってきたときに上司が「みんな辛くても頑張っているじゃないか」とか、「みんなで一緒に乗り越えよう」などと精神論でハッパをかけることがあります。

これらは励ましているように見えて、実際には役割分担がしっかりとなされていないばかりか、個々の能力は全く無視されています。さらに、このような精神論を説く上司は「自分たちの時代はこうだった。だから君たちもうまくいくだろう」と考えていることが多いようです。

社員の個性や能力には全く目が行き届いていないというわけです。また、精神論を振りかざす会社では、社員一人一人が公平に評価されない傾向があります。どんなに能力があり効率的に仕事をしても、遅くまで残業している社員のほうが評価される不公平な状況が見られます。

考える力を抑えてしまう

どんなに努力をしても仕事に失敗はつきもの。失敗した時に「やる気が足りないから失敗するんだ」とか、「気合が足りない」などの精神論で片づけると、「なぜこのような結果になったのか?」という根本的な原因を追究しないままになってしまいます。

原因は「やる気が足りない」とか「気合が足りない」などの精神論ではなく、仕事のやり方が非効率的であったとか、アプローチの仕方が間違っていたなど、その過程に何らかの論理的な理由があるはずです。精神論を振りかざすだけでは根本的な原因を無視し、論理的思考をする余地がなくなってしまいます。

精神論は思考の押し付け

経営者や上司が言う精神論は、客観的な事実や数字などの裏付けがないある意味“個人の考え方”です。

個人的にそのような心構えを持って仕事に取り組むこと自体は問題ではないのですが、このような個人的思考を他人に押し付けるのは必要以上にプレッシャーを与え、個人の価値観を踏みにじることになります。実際、能力ややり方は人それぞれで、精神論だけで解決できる問題ではないのです。

精神論より論理的思考を

いかがでしたか? 「こんな上司いるよね~」と感じられる人も多かったのではないでしょうか? 近年では“過労死”とか“ブラック企業”ということが社会問題にもなり、日本人独特の“精神論”や“根性論”が見直されるようになってきました。

古来より日本人が培ってきた「忍耐」や「我慢」を美徳とし協調性を大切にする文化は、大規模な災害の際の辛抱強い被災地の人々の姿にもあらわれ、世界中から称賛されました。これらの特質は現代においてもまったく無駄な考え方ではなく、素晴らしいことです。

ただ、このような精神論がビジネスシーンで前面に押し出されてしまうと、現場から論理的思考を奪い社員一人一人の能力を軽視する結果になりかねません。

このような思考は、個性や自己主張が評価される海外では通用するはずもありませんね。失敗を精神論で片づけるほうが簡単かもしれませんが、より効率的で成果が目に見えるような職場にするためにも「なぜこうなったのか」「どうすれば効率が上がるか」などの論理的思考で仕事に取り組むようにしたいですね。

コメント

  1. 名無し より:

    物事が上手く行かなかったときに必要なのは、「分析」ですよね。
    日本人はつい「努力が足りないからだ」と思い勝ちですが。
    実際には努力で得られる効果は殆ど無い。
    それで下手に勝ててしまうと、余計にたちが悪い。
    勝つために必要な要素がたまたま「努力」だった時のみ努力は実を結びますが、
    本来は勝つために何が必要か「分析」をするべきです。
    努力は最後の最後に次善の策としてやるものです。
    優先すべきは分析です。

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