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外国人雇用の際に確認すべきチェックポイント

外国人雇用

近年では、少子高齢化を見据えた労働人口を確保するために、積極的に外国人労働者を受け入れようという傾向が増加しています。ところが、いざ自分の会社でも外国人を雇用するとなると、何から手を付ければいいのか分からないことも多いようです。

そこで今回は、外国人を雇用する際に確認しなければいけないポイントについてまとめました。

在留資格の確認

「在留資格」と「査証(ビザ)」の違い

「在留資格」と「査証(ビザ)」は同じだと勘違いされることもあるのですが、この二つは異なるものです。

「査証(ビザ)」とは、日本に入国する時に必要なもので、来日したい外国人がそれぞれの国の日本大使館や領事館などで「ビザ発給」審査を行い、さらに日本に入国する際に日本の空港や港などで入国審査官が旅券(パスポート)と「査証(ビザ)」を確認してようやく入国することができるものです。入国すると同時に「査証(ビザ)」は使用済みとなります。

一方「在留資格」とは、外国人が日本国内で滞在し活動するための資格のことです。つまり、外国人が日本で何らかの活動をするためには、いずれかの「在留資格」を所持している必要があるのです。

自由に就労できる在留資格

「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」の4種類の在留資格を持つ外国人は、日本人と同じように日本国内で自由に就労したり転職したりすることができます。

最後の「定住者」の中には、日系2世、3世など(日系ブラジル人・日系フィリピン人など)が含まれていて、これらの人は就労制限なく単純労働に就くことも可能です。ただ、日系人でもあっても「定住者」という分類ではない他の在留資格、例えば「短期滞在」や「研修」などの場合には就労することができません。

就労が認められる在留資格

就労が認められる在留資格には17種類あります。「外交」、「公用」、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「投資・経営」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術」、「人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」「技能」、「特定活動」(ワーキングホリデーなど)です。

例えば、在留資格が「法律・会計業務」なら、弁護士や公認会計士、税理士、司法書士などの仕事に就くことになりますし、「技術」なら、システムエンジニアやコンピューターエンジニア、機械工学や電子工学の技術者など理学、工学、自然科学などの技術分野に就労することになります。

さらに「技能」ではフランス料理・イタリア料理など外国料理のコックやソムリエ、貴金属等の加工技師やパイロットなどが含まれます。

不法就労になる場合

不法就労とは、日本で働く資格を持っていない状態で仕事に就くことです。例えば、観光・保養・スポーツなどの「短期滞在」や、高等専門学校・短期大学・大学等の学生である「留学」など就労することができない在留資格で仕事に就くことは“不法就労”となります。

また、就労できる「在留資格」を持っている場合でも、仕事の範囲が持っている在留資格範囲とは異なる場合にも不法就労になります。

例: 「技術」の在留資格を持つシステムエンジニアのAさんが、働いていた会社を辞めレストランのウェイターの仕事に就いた場合、これは不法就労です。

さらに、特定の専門分野で在留資格を持って働いている人が、在留期限が過ぎた後も引き続き働き続けるのも不法就労になります。

このように、就労が認められている在留資格を持っていても、範囲を超えた仕事や期限切れなど、知らないうちに法律違反を犯している可能性があります。同じように雇う側も、知らないうちに不法就労者を雇ってしまうことがないように十分に在留資格を確認する必要があるのです。

もしも不法就労者を雇った場合、不法就労者だけではなく雇用主も“不法就労助長罪”として3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が課せられることになります。(入管法第73条の2)

雇用契約を結ぶ

さて、有効な旅券(パスポート)や入国査証(ビザ)、在留資格など、必要な書類をきちんと確認できたなら、ようやく雇用契約を結ぶことができます。その際にも注意すべきポイントがいくつかあります。

雇用契約を母国語の文書で作成する

労働環境は国によって異なります。ですから、日本での労働条件をしっかり書面にしておくことでトラブルを避けることができます。

そこには、1.労働契約の期間、2.就業場所と従事する業務、3.始業・終業時刻と残業や早出の有無、休憩時間、休日・休暇4.賃金に関する事項(賃金の計算・支払い方法・賃金の締切日・昇給など)5.退職や解雇に関する事項などを書面上に明示しておく必要があります。

厚生労働省のホームページには「外国人労働者向けモデル労働条件通知書」が、英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・タイ語・タガログ語・ベトナム語で掲載されているので参考にするといいですね。

雇用保険・健康保険の手続き

外国人を雇用する際には日本人と同じように労働基準法・健康保険法が適用されます。雇用条件に応じてすみやかに手続きする必要があります。また、すべての事業主はアルバイトや正社員などを問わず外国人を雇用する際にはハローワークに届け出る義務があります。

外国人労働者が雇用保険に加入する際には、日本人と同じように「雇用保険被保険者資格取得届」を提出して、雇用保険の手続きをすることで届け出を兼ねることができます。もしも外国人労働者が雇用保険に加入しないのなら、ハローワークに「外国人雇用状況届出書」を作成して提出する必要があります。

就労可能か書類で確認して、雇用契約も書面にする

いかがでしたか? 外国人が就労することができる在留資格には、色々な種類と期間が定められていること。在留資格を持っていても、違うカテゴリーの仕事に就くと“不法就労”になること。法律違反をするつもりが無くても、知らずに不法就労者を雇用すると雇用した側も処罰される可能性があることがわかりました。

ですから、雇用したい外国人が就労可能な在留カードを持っているかどうかをしっかり確認するようにしましょう。

さらに、日本人にとっては常識でも外国人にとって理解しにくいこともあります。雇用の際には具体的な就業規則や労働条件をしっかりと説明し、書面で雇用契約書を作成しておくことが大切です。こうして世界中から優秀な人材を確保できるといいですね!

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