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海外移住、日本語学校がないバリ島での教育と学校制度

インドネシア

海外移住を決めて、不安になるのは子供の教育問題です。日本人にも人気の移住先、バリ島には日本語学校がありません。インドネシアの学校制度とバリ島の日本語教育についてまとめています。

バリ島の学校制度と日本語教育

バリ島で生まれた子供や日本から幼稚園児や小学生以上の子供と一緒に移住してきたお母さんたちが、まず考えるのが「学校」のことですよね。バリ島には、文部省認定の日本人学校はありません。日本語を学べるのは、午後から開かれるバリ日本人会が設立した日本語補習授業校だけです。

日本語補習授業校のHPURL

英語圏内の人が多く通う私設学校は最近増えつつありますが日本語専門の私立校はまだありません。ですから、子供達は、たとえインドネシア語ができなくても、日中は地元のローカル学校へ通うか、英語主体の私立学校へ通うしか選択がありません。地元の学校はどんなものなのか簡単に説明しますね。

幼稚園

TKと呼ばれ、多くが私立幼稚園です。2年制ですが1年だけTKへ通うというのが多いですね。小学校へ上がる前の準備のためと考えているからかもしれません。授業は朝の8時から10時までというとっても短い時間(笑)。

そんな短い時間でも、幼稚園ではABCの読み書きや簡単な足し算引き算、図画工作、体育といった、日本の幼稚園で習うのと同じようなカリキュラムになっています。

日本と大きく違うのは、バリ舞踊の練習時間があることです。この踊りの練習に結構な時間を使うんですよね。卒園式が1年間練習した踊りを発表する舞台となるんです。この時、ちゃんと化粧もしてバリ舞踊の衣装や小道具も使うという本格的なものです。

小学校

SDと呼ばれ国立の小学校と私立の小学校があり6年制です。私立の小学校へ行く子供達は、ハーフの子供やちょっと裕福な家庭の子供達です。義務教育ですが、就学率はまだ100%ではないのがインドネシアの現状です。

授業時間は朝の7時過ぎからお昼まで。1年生は10時まででその後同じ教室で2年生がお昼までというところがほとんどです。

カリキュラムは日本の授業と大差ありませんが、国語であるインドネシア語に第2言語の地方語というのがあります。

そして、宗教国家らしくバリヒンドゥ教の授業もあります。

残念なのが国や州、県の教育委員会から学校教育に割かれる教育費の援助と言うものがほとんどなく、プールはもちろんのこと運動場さえもありません。

サッカーなどの場所を取るスポーツの時は子供達は近くの広場まで歩いていってやっているようです。小学校によっては選択授業でバリ舞踊・ガムラン(バリの楽器)、絵画と分かれて伝統芸能を学んでいます。

そうそう!これもお伝えしとかないと!小学生といえども規定点数に満たない子供や出席率が悪い子供は落第があるんですよ。なかなか厳しいバリの教育制度です(笑)。

中学校

SMPと呼ばれ国立の中学校と私立の中学校があり3年制です。国立中学校へ入学するにはインドネシア全国で一斉の入学試験にパスしないと入れません。

小学校と異なるのは中学の私立はその入学試験に落ちた子供達が通うんですよね。私立の小学校が経営している私立中学はありません。

中学のカリキュラムも日本のものとほとんど変わりありませんが、やはり中学でも地方語と宗教の授業があります。クラブ活動もありますが、日曜日にあることがほとんど。サボって行かない生徒も多いようですね(笑)。

中学も小学校と同じように7時からお昼までの授業ですが、教室数が足りないこともあって、1年生と2年生の半分のクラスは午後から夕方までの授業となっている学校が多くあります。

中学にも落第制はあります。中学の場合、素行不良というのも落第の大きな要因となるんです。

高校

SMAと呼ばれる国立高校とSMKと呼ばれる私立高校があり3年制です。

国立高校に入るのにも中学と同じようにインドネシアの国一斉の入学試験があってそれにパスした子供達が国立高校にいくんですが、試験を受けずにSMKを最初から選択する子供もいます。

というのはSMKは私立ですが専門学校なんです。バリ島は観光産業が盛んな島なので、観光産業に携われる技術を身につけるという意図の下にカリキュラムが組まれているのがSMK。SMKの1年生または2年生の時には3ヶ月ホテルや大きなレストランでの実践トレーニングというものがあるんですよ。

SMAに通う子供は大学への進学を目的としている子供が多いようです。

授業の時間帯はSMKは私立の中学と同じ学校を使うことが多いので中学生は午前中、高校生は午後からの授業のようです。SMAは国立中学と同じように2部制に分かれて授業を受けるようです。

大学

Kuliahと呼ばれ2年制と4年制があります。総合大学、工科大学、農業大学など大学の種類も揃っています。大学内の学科も医学、歯学、法学、経済学、文学、社会学など日本の学科とほとんど大差ありません。

他にも看護学校や観光産業に従事するための特別な専門学校、語学学校などもあります。

バリ島の大学へは伝統芸能を習得するために留学してくる日本の学生達も多くいます。日本の大学と協定している大学もあって共同研究や文化交流などの分野で協力関係を結んでいるようですね。

インドネシアの学校行事

インドネシアは小学校及び中学校は全国同じ制服です。その制服も月・火は白と赤の制服、水・木はブルーの制服、金・土は茶色の制服と決まっています。

新学年は7月始まりで、前期後期の2学期制。日本のように長いお休みは基本ありません。

しかし、宗教絡みで1週間続けてお休みになる時もあります。

バリでは西暦はほとんど関係なくバリ暦で生活しているので、学校もたとえ西暦の年末年始であろうとも学校に行くんですよ。

我が家の上の子は、いまいちインドネシア語が苦手だったんですけど、地元の幼稚園、小学校へ通い始めて今ではローカルの子供達と違和感なくインドネシア語もバリ語も使えています。母である私の方が完璧に負けてます(笑)。

「郷に入っては郷に従え…従うしかないよなぁ〜」精神でいけばなんとかなるものなんです。

子供達の適応力

お母さんたち、心配せずに子供達の適応力を信じましょう。日本語は日本語補習授業校やお母さんとの日本語のコミュニケーション、日本語の絵本、日本語のDVDなどで補うといいですよ。

あ、忘れていました!日本と同じように遠足や修学旅行もあるんです。これは子供達も楽しみにしているようですねー。運動会モドキのようなスポーツ大会も小学校ではあるんですよ。

執筆者:harudai(ペンネーム)

プロフィール:国際結婚で2000年からインドネシアバリ島に住んでいる主婦兼二児の母。「郷に入っては郷に従え」精神でご近所の方々に助けてもらいながらの日々の生活。今だ近所のおばちゃんたちから学ぶこと多し。

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